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くすりと飲み物

 

■質問■
一般的に薬は水や白湯で飲むように言われますけど、つい他の飲み物と一緒に飲むことがありますよね。
 
そうですよね。栄養を取ろうと牛乳で薬を飲んだり水で薬を飲んだあとコーヒーを飲んでしまうこともあると思います。
そういうことが全てのお薬に大して悪いわけではないのですが、お薬によっては飲み物で影響を受ける事があります。 例えば牛乳です。

 ■回答■
■質問■
牛乳といえば骨を強くするし、病気の時は特に栄養面を考えて飲みがちですよね。
 

牛乳はタンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、脂質の五大栄養素に加えて必須アミノ酸をも含み、骨を強くしたり胃粘膜を保護して胃潰瘍を防ぐ等という効果もあります。ですから、手軽に栄養をとれる飲み物です。

しかし、抗生剤の中のテトラサイクリン系という薬剤やニューキノロン系抗菌剤と服用すると吸収が阻害され、薬の効果が落ちる事があります。

特に乳幼児の場合はミルクに溶かして飲むことが多いため、病院や薬局での指導をきちんと守る事が大切です。
骨粗鬆症の薬の中でも飲み合わせが悪いのがあるんですよ。


 ■回答■
■質問■
では骨を強くしようと飲んでも効果を弱めてしまうということですか?
 

骨代謝改善薬というエチドロン酸二カリウムという薬ですが、これはもともと吸収が悪いため高蛋白食の後では効果を出すことができません。
ですから服用前2時間は食事、間食、牛乳を控えることが必要です。

 ■回答■
■質問■
では時間をずらすなど対処をすれば良い訳ですね。
 

そういうわけです。
最近の禁煙ブームでニコチンガムという製品があります。
これは口腔粘膜からたばこ1本の半分のニコチンを吸収して徐々に禁煙にみちびく製品ですが、酸性飲料と併用すると口腔内のpHが低下して吸収が阻害される為、いつまでも禁煙効果が出ないということになります。


 ■回答■
■質問■
酸性飲料とはどんなものですか?
 
コーラなど炭酸飲料、コーヒーですね。
 

 ■回答■
■質問■
では他に健康食品なんかの飲み合わせはどうなんでしょうか?
 
例えば青汁ですが、これはビタミンやマグネシウム、鉄、カルシウム、カリウムなどを普通の野菜ジュースにより大量に含むので栄養素の不足を補う健康食品として優れています。ですから味は別として人気は高いんですよ。

 ■回答■
■質問■
でも、影響を受ける薬剤があるんですよね。
 
 

ワルファリンと言われる抗凝血作用のあるお薬を飲まれている方は青汁に含まれるビタミンKとの飲み合わせが悪く、抗凝血作用を弱める事になります。

納豆にもビタミンKが含まれますので、病院や薬局では納豆はあまり食べないよう指導されると思いますが、納豆を止めても青汁やクロレラ製品を常用していれば同じ事になってしまいます。

ですからビタミンKが多く含まれるもの全てに注意が必要ということです。


 ■回答■
■質問■
例えば副作用が出るような組み合わせはあるんですか?
 
 

気管支喘息の薬の中にキサンチン誘導体という気管支を拡げ呼吸をしやすくするものがあるのですが、コーヒーの中に含まれる苦みの成分カフェインはこのキサンチン誘導体と同じ仲間になるので作用を強く出してしまうため、イライラや不眠、頻尿などの副作用を強めることになります。

 ■回答■
■質問■
カフェインは緑茶にも含まれますよね?
 
 

そうです。玉露にいたってはコーヒーの4倍含まれるんですよ。
お茶もコーヒーも癌予防に効果があると言われますし、お茶の中のカテキンの抗菌作用はO-157に効果があるとも言われます。

このように身体によい飲み物もお薬も適切に服用する為には、1人1人の情報を知る事が大切です。皆さんが飲まれているお茶はもちろんのこと、ビタミン剤や健康食品、好む飲食物との併用はいったい可能なのかをかかりつけ薬局で相談する事で、より効果的に病気を治すことができるのです。


 ■回答■
そうすることで思わぬ副作用で悩む事なく好きなものを止めることなく、安心して薬とつきあう事ができるということですね。
 

 


 

 

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