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薬の効く人、効かない人

 

■質問■
同じような症状の人が同じ薬を、同じ量飲んでもよく効く人がいたり、
あまり効かない人がいたりしますが、どうしてなのですか。
 
個人個人でお薬の吸収の早さや代謝能力や排泄のされ方などが違うためなのですが、現在でも、ある人にそのお薬がどの程度効くかを予想することは大変難しいのです。

 ■回答■
■質問■
そうですか。
でも、お薬を飲むまえにどの程度そのお薬が効くのか分かればメリットも大きいとおもうのですが。
 
確かにおっしゃる通りです。事前に、あるお薬が患者さんにどの程度効くのかわかれば、治療当初から、その患者さんに最適の量のお薬を飲んでいただくことができ、副作用などの心配も減ります。
また、無駄なお薬を使わなくて良いので薬剤費抑制の点からも有益です。

 ■回答■
■質問■
いろいろとメリットも多いようなのですが、何か良い方法はないのですか。
 

まだ、現在実用化されているわけではないのですが、最近、個人の遺伝情報の違いを調べることでこれがある程度可能になるかもしれないと考えられるようになってきています。

この遺伝情報の違いをあらわす指標として注目されているのがSNPs(スニップス)というものです。最近、時々新聞などにでていますので、聞き覚えがあるかもしれません。


 ■回答■
■質問■
SNPsとは、なにですか。
 

少し専門的な内容になってしまいますが、人間の遺伝情報が4種類の塩基というものからなるDNAで決まっているということは聞いたことがあるかと思います。

このDNAの構造は基本的には人類共通なのですが、詳しく見ると所々に違いがあります。その内、塩基一個だけが違うものをSNPsと呼んでいます。この違いは数百塩基から数千塩基に一ケ所程度あると考えられています。


 ■回答■
■質問■
そのSNPsがどう関係してくるのですか。
 

この違いの一部が薬の体内での運命を決めているようなのです。
だから、薬の効く人と効かない人のDNAを調べて、薬の効き方とSNPsの関係を調べておけば、患者さんのSNPsを調べることでどの程度その薬がその患者さんに効くかわかるわけです。

 ■回答■
■質問■
でも、この方法に問題点はないのですか。
 

SNPsを調べるということは究極の個人情報とも言われる遺伝子について調べることですから、利用のされ方によっては、調べられた人が多大の不利益を被る可能性もあるわけです。

ですから、調べる際の承諾の取り方をどうするのか。得られた情報をどのように管理するのかなど、実に様々な難しい問題があります。

これらのことについて、まだ充分なコンセンサスは得られていません。ですから、今のうちから充分な議論をしていくことが必要だと思います。


 ■回答■

 


 

 

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