薬の投与日数について
■質問■ 「薬の投与日数(長期投与とその廃止)」についてお話していただきます。 1枚の処方箋で頂ける薬の日数には何か制限があるのでしょうか。 |
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いままでは、長期投与の制限というものがありました。 長期投与とは、1回の処方につき14日分を超えてお薬を出せることを意味します。 これまで多くの場合、保険診療においては原則的に最大14日分しか投与できないと決められていましたが、薬剤によって、症状が安定している疾患の方には、30日分、90日分処方しても良いという制限がありました。それを長期投与の制限といいます。 |
■回答■ |
■質問■ 今言われました、お薬の長期投与の制限は今でも変わらないのでしょうか。 |
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平成14年4月の医療法改正で、投与期間の見直しが行われ、長期投与の制限は、原則廃止になりました。 |
■回答■ |
■質問■ 原則廃止というのはどういうことでしょうか。 |
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簡単にいいますと、薬の処方日数というのは、これまで法によって制限されていましたが、この廃止により医師の判断で決められるようになったのです。 つまり、日数にこだわらなくて良くなったといえるでしょう。 慢性疾患の方が増えている現在、薬による治療も長期にわたるものが増えてくると考えられます。 ですからこれまでのように薬品ごとに規制すると不都合もあり、制限する意味が薄くなりました。 例を挙げていいますと、これまで高血圧の薬では長くて30日分までが制限だったのですが、その制限が原則なくなったということです。 |
■回答■ |
■質問■ では、全てのお薬について、何日分でも頂けるようになったのですね。 |
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いいえ。全てではありません。 麻薬・睡眠薬などの向精神薬、発売されて1年以内の新医薬品には制限が残りました。特に新医薬品は14日分と制限されています。 |
■回答■ |
■質問■ では、薬の投与日数はどのように決まるのでしょうか。 |
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実際は、医師がそれぞれの患者様の状態と必要性を見極めた上で、経過に見合った日数を判断して決めるのです。 あくまで、医師の判断で決められることなのです。 |
■回答■ |
■質問■ 処方日数の制限がなくなったと言っても、それぞれの病状で変わってくるのですね。 |
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そうですね。 例えば風邪で具合が悪い時、せいぜい1週間もあれば治るような場合がほとんどです。 こういった急性の疾患に対して30日分処方したりすることは適切といえないでしょう。 ですから、薬を正しく、適切に使用してもらうことが大切です。 |
■回答■ |
■質問■ では、薬を長期に頂いた場合、私たちが注意すべき点はなんでしょうか。 |
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お薬を飲んだ後、いつもと違う症状が出たり、気分が悪くなったり、または疑問に感じることがあれば、すぐに、かかりつけ医やかかりつけ薬局に御相談下さい。 必要があれば受診されますよう、おすすめしたいですね。 そして、「くすり」というものは様々な効きめがあり、ときには副作用を招く恐れもあることを覚えておいて下さい。 ですから、長期にわたりお薬をもらわれても、常に体調変化にはご注意願いたいものです。 皆様方には、「くすり」を正しく飲んでいただいて、適切な範囲で医療機関を受診していただきたいと思います。 |
■回答■ |
正しい範囲で正しく使う、私たちの心がけも大切なのですね。 よくわかりました。ありがとうございました。 |
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こちらこそありがとうございました。 | ■回答■ |